【介護転職ストーリー】ギャンブル依存症からの脱却――人生のどん底36歳男性が見つけた再出発

さまざまな人々の介護転職への道のりをご紹介する「介護転職ストーリー」。第10回目は、36歳男性の挑戦です。
- T.K.さん
- 現在の年齢:36歳
- 現在の職業:介護福祉士(小規模多機能型居宅介護 勤務)
- 趣味:読書(ノンフィクション)、犬の散歩
「気づいた時には何もかも失いかけていました」。T.K.さんは静かにそう語ります。ギャンブル依存で職も家族も信用も失いかけた過去。しかし今、彼は地域の高齢者に寄り添い、真っすぐ生きる日々を送っています。どん底から這い上がり、新しい「手ごたえ」を感じられるまでの道のりを描きます。
生い立ち~無意識の流れの中で
T.K.さんは、北九州市の団地で育ちました。父はタクシー運転手、母はパート勤め。真面目な両親のもと、中学卒業後に地元の工業高校へ進学。「特に夢があったわけじゃない」。卒業後は小さな工場に就職し、夜遅くまで働く日々が続きます。
ストレス発散のため、先輩に連れて行かれたパチンコが最初のきっかけでした。「最初はたまの遊びのつもりだった」。けれど数年後、その「たま」が日課に変わり、給料のほとんどをギャンブルで消費するようになっていきました。
「今日は勝てそうな気がする」「あと1回だけ」。そんな言い訳を重ねるうち、生活費さえも使い込むようになり、とうとう家賃も滞るように。両親にも会社にも嘘を重ね、自分自身さえ信じられなくなっていきました。

「もう消えてしまいたい。何もかも、どうでもいい」
本気でそう思っていました。
自暴自棄の日々。けれど、心のどこかで「このままではいけない」と叫ぶ自分がいました。
転機――依存症回復プログラムとの出会い
自分では抜け出せない。その事実を認め、T.K.さんは地元の相談機関に足を運びました。最初は足取りも重く、何度も途中で引き返したくなったと言います。それでも、ボロボロの自分を受け入れ「助けてください」と口に出したことで、人生が動き始めました。
依存症者向けのグループミーティングでは、他人の語る失敗談や不安が、自分のことのように胸に刺さりました。依存症は「意思が弱いから」ではないこと、「心の隙間や寂しさ」「孤独」と向き合わない限り、やめられないことも初めて知りました。
約1年間、週に数回のミーティングとカウンセリングを継続。ギャンブルに使っていた時間を、自分のため、人のために使う習慣作りに取り組み始めました。
介護職との出会い。「誰かの役に立ちたい」素直な欲求
グループの仲間の一人が介護職に就いていたことが、T.K.さんの転機となります。
「誰かの世話が自分を救ってくれる。それに気づけたのは、依存で底を打ったからこそだよ」
先輩のその言葉に、強く心を惹かれました。

「自分にはもう、自慢できるものなんてない。でも、人の役に立つことで、自分も変われるかもしれない」と感じられたんです。
近くの介護施設に見学を申し込み、職員や利用者の自然な温かさに触れて「ここでなら、もう一度やり直せる」と感じました。まずは週4日、夜間の補助パートからスタート。未経験・無資格だったため、最初の半年は簡単な身の回りの世話、掃除、配膳などを任されました。利用者の「ありがとう」「また来てね」の言葉が、T.K.さんの心の支えになりました。
【重要ポイント】
ギャンブル依存を克服しようとする中で、「他者の役に立つことで自分も救われる」…それが新しい人生の原動力だった。
現在――「依存」との闘いは続く。でも今は、まっすぐ前を向いて
今、T.K.さんは小規模多機能型居宅介護で正職員として働いています。利用者との会話や日常サポートを通じて、「誰かの居場所をつくる仕事」を実感しています。以前は自分のため、快楽のためだけに生きていた毎日。でも今は「利用者さんの安心が、自分の安心になっている」と笑顔で語ります。

「過去は消えません。でも、その分だけ人の痛みに気づけるようになった気がします。…どんなに辛い経験でも、それを乗り越えた人は、きっと誰かの支えになれると思うんです。
小さな役割でも、誰かのために一日を使えることが、今は本当に幸せです」
【重要ポイント】
立ち直るきっかけは、「自分を変えたい」という本音に正直になれたこと。そして、「他人の人生に寄り添う仕事」が、自分にも再生のチャンスを与えてくれる場所だったということ――。
ギャンブル依存を経たT.K.さんのストーリーは、失敗や過去の苦しみさえも、人を支える強さになることを教えてくれます。「人生のどん底」を知った今だからこそ、T.K.さんは誰よりも人に寄り添う介護福祉士として、まっすぐ前を向いて歩んでいます。
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